深むし茶(ふかむしちゃ)とは
遙か南アルプスを源泉とする大井川。大塚製茶のある掛川市日坂・東山は、
その流れが、標高532mの粟ヶ岳(あわがたけ)に阻まれて大きく曲がる一帯です。
90度に近いダイナミックな流れの変化によって南アルプスから運ばれた、
栄養が豊かで茶樹に適した酸性の黄色土が堆積し、この土が茶樹を健やかに育てるのです。
理想の地形
日坂・東山に御林(おはやし)という地区がありますが、
その辺りは「御林は雲の上」と言われるほど、濃い霧がたち込める地形となっています。
この霧が紫外線を遮る天然の覆いとなり、茶葉の緑が濃くなり、
旨味を豊富に含んだ良質な茶葉となるのです。
また、西にそびえる粟ヶ岳が遠州のからっ風を防ぐとともに、
昼夜の寒暖差を広げ、茶樹を育てるには完全とも言える環境が揃っているのです。
世界農業遺産【静岡の茶草葉農法】
掛川周辺で茶の開墾が始まった150年以上前から続く茶草葉農法。
茶畑の周辺に生えるススキなどの枯れ草を茶畑の畝間に敷き詰め冬の間の土中の温度を一定に保ち、
バクテリアによる分解を促進することで養分豊富な土壌を作ります。
日本一の美しい茶葉
ここが日本一の茶畑である、私たちはそう思っています。茶葉の良し悪しは、プロでなくても見分けが付きます。まず、葉の面積が広いこと。面積が広いほど光合成が活発に行われ、味わいが深まります。また、茶樹を手で掻き分けても、内側に葉が密集していることも重要なポイントです。このような茶葉は良い気象条件とともに、枝の仕立て(剪定)、肥料、水など、管理が行き届いていなければ育ちません。掛川・東山には、一枚一枚の葉が大きく、葉肉が厚い、枝が見えないほど葉が密集した美しい茶畑が広がっています。
掛川のお茶畑の多くが、なだらかな丘にあり、
日差しをたっぷりと浴びるため、カテキンをたっぷり含んだ渋いお茶になってしまいます。
そこで渋みを和らげ、飲みやすくするために編み出された方法が「深蒸し」と呼ばれる製法です。
長時間蒸すことで茶葉の組織がぼろぼろになり、
様々な成分が出やすくなります。
渋み成分カテキンと細胞のかけらがくっつきあうことで、
渋みを感じにくく、飲みやすいお茶になるのです。
お茶の生産地としては、決して最上とは言いがたい土地で、
なんとか美味しいお茶を作ろうとした昔の人の知恵が、
結果的に健康成分をもたらしていたのです。
近年注目さえる「茶カテキン」の殺菌力
「お茶を飲みながら食事すれば、食中毒は防げる」
と言われるほどに、お茶が赤痢菌・腸炎ビブリオなど
腸に感染する病現原菌に非常に効くこと、またコレラ菌を殺す強い力があること、
殺菌力の有効性などなど・・・、現在数多くの研究結果が発表されています。
また、近年になって社会問題化している病原性大腸菌0157に対しても
茶カテキンの殺菌力は有効であることも世間で認知されてきています。
老化防止にお茶が効く、ビタミンEを上まわる効果
ビタミンEには私たちの体内にできるフリーラジカルや過酸化脂質の生成を抑える
老化防止パワーがあるとして注目されていますが、
緑茶にはこのビタミンぐEの約20倍の効果があることが近年証明され、
現在話題になっています。
また、老化防止だけでなく強い突然変異抑制作用や、
抗酸化作用のあることも証明されています。
掛川で一般に飲まれている「深蒸し茶」は色が濃く、
細かい浮遊物がたくさん含まれているのが特徴です。
この浮遊物は、普通のお茶にはほとんど含まれていない成分が入っています。
お茶でガン予防(発ガン作用抑制効果)
お茶に含まれているタンニン(渋味)の主成分であるカテキンが、
発ガン作用の抑制に効果のあることが科学的に証明されています。
お茶の消費が多い地域ではガンによる死亡率が低いという驚くべき結果も
報告されています。
お茶を飲んでリラックス!
高級煎茶には、旨味成分であるテアニンが多く含まれています。
テアニンはリラックスの度合いとなる脳波=α波を増大させる力があり、
これにより頭がすっきりしたり、集中力が高まるなどの効果があります。
なにかとストレスの多い現代社会。一杯のお茶が癒しの時間を与えてくれます。